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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(あ)2740号 決定 1953年2月03日

本籍

朝鮮全羅南道みらん郡はなみ面以下不詳

住居

岡山県和気郡福河村大字寒河字中日生番地不詳

無職

朴正子こと

朴青一

五三歳

右の者に対する酒税法違反被告事件について昭和二七年三月一八日広島高等裁判所岡山支部の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人朴青一弁護人中野義定の上告趣意は後記書面のとおりである。

同第一点について。

所論は、原判決が憲法に違反すると主張するのであるが、その理由は原審で主張されず従つてまた判断もされなかつた事項であるばかりでなく、その実質は訴訟手続の違反を非難するに過ぎず適法な上告理由と認められない。(なお本件記録上略式命令請求書に保証書の編綴されていないことは所論のとおりであるが、この一事を以つて保証書の添附がなかつたものということはできないし、また被告人が略式命令請求について異議を述べた形跡もない。)

同第二点について。

所論は、量刑不当の主張であつて適法な上告理由にあたらない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よつて同四一四条三八六条一項三号一八一条により全裁判官一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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